おもふこと…≪甘雨さんの個展によせて…≫
2013/06/15
よく、五行歌は誰にでも簡単にできる短詩ですよ、
と言われるのだか。
確かに、五行歌には俳句のように季語もないし、
短歌のような決まり事もない。
「口語体で五行で書くこと」
ルールはそれだけである。
簡単に詠むことができるような気がする。
だが、「いい五行歌」には、いくつか条件が伴うのだと思う。
まず、その人の言葉で書かれていること。
その人にしかできない表現であること。
これがとても大切なことだと思う。
それから…
必ずその歌の中にその人の「ホント」が隠れていること。
そして、言葉の一つ一つに愛情を籠めて、とても大切に選んでいる、
ということ。
甘雨さんの歌の中には、
それらがきちんと備わっている。
だから、こんなにも心に深く突き刺さってくるのだ。
書に至っては、なんの心得もない私があれこれ言うべくもない。
が、敢えて言わせてもらえるのなら、
彼女の書に向かう姿勢もまた、
五行歌と同じ、
常に真剣勝負だから、
こんなにも心が揺さぶられるのだろう。
今度は負けないぞ、
と思うのに、
ああ、また負けてしまった。
と、心地いい空気に、
結局、今日も酔わされてしまうのである。
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