038:抱 (史緒)

くれなゐの薔薇のつぼみを抱いたまま暁闇に鳥の音を聴く

037:ポーズ (史緒)

被災地の思いうけたる球児らはガッツポーズを胸に秘めをり

036:暑 (史緒)

路地裏に暑さ凌いで猫二ひき僅かな陰を分けてぬらぬら

035:罪 (史緒)

おだやかな日常からの隔絶は愛した罪と愛された罰

034:掃 (史緒)

やり場なき思い抱えた女らはただ黙々と掃除するらし

033:奇跡 (史緒)

奇跡など無くてもいいよ ありふれた日常が積み重なるだけで

032:町 (史緒)

この町の言葉にも慣れ朝夕に挨拶交わす八度目の夏

031:電 (史緒)

終電は酔客たちを乗せたまま日付変更線を越えたる

狐と狸の化かし合い・・?

何を隠そう、史緒は生粋の関西人である。
(いや、全然かくしてないし~)

でもって、東京に暮らして、まる7年を過ぎた。
なので、エスカレータの左側に立つことにも、すっかり慣れた。
でも、どうしても馴染めないことって、やっぱりあって。

当たり前に思って暮らしてきたことが、
根底から崩されることもあるのだ。 ← んな、大げさな…

戸惑ったこと

その1:電車の発車案内が、「こんど」「つぎ」と表示される。
    いや、「こんど」と「つぎ」って。一体どっちが先やねん?と・・・
    ちなみに、関西では「先発」「次発」「次々発」が一般的かと。

その2:『肉まん』の具が豚肉。
     これは詐欺に遭ったような気分だった(笑
     関西では「肉」は牛肉だし、『肉まん』の具は牛肉。
     豚の場合は『豚まん』と呼び分ける。

     関東で肉といえば、どうやら「豚肉」のことらしい。

     ※付け加えると、関西では鶏肉のことを「かしわ」ということもある。

その3:東京には「きつねそば」と「たぬきうどん」がある。

そうです。
関東には「きつねそば」や「たぬきうどん」なるものが存在するらしいのだ。
関西では、「きつね」といえばうどん、「たぬき」といえば蕎麦。
オーダーも「きつね」「たぬき」でちゃんと通る。
「きつねそば」や「たぬきうどん」なんてものは、存在しない・・
はずだが、ここでは揚げさんののった蕎麦は「きつねそば」らしいのだ。

ちなみに、「たぬき」といえば、天かすののったものを指すらしく、
「たぬきうどん」「たぬき蕎麦」がそれぞれ存在するんだとか。

関西人には、「きつね蕎麦」も「たぬきうどん」も、
どちらもあり得ないので、どうもピンとこないのです。

存在しないものがあるなんて・・

どうも「きつね」と「たぬき」に化かされてるような、
そんな気がしたり、しなかったり・・・

   ※京都では、たぬきうどんが存在するという噂が・・
     どうやら揚げさんののった、あんかけうどんらしいです。

030:遅 (史緒)

窓をつたう雨滴をじっと眺めみて列車は今日も四分遅れ