ツーツーレロレロ・・
2015/08/27
時折、ほんの些細なきっかけで、
記憶の奥底に沈み込んでいた、
これまた些細な記憶が呼び起こされて、
頭の中がその記憶に支配されてしまうことがある。
この1週間ほど、私はある旋律に脳みそを占拠されてしまって、
どうにもこうにも、参ってしまっていたのだ。
その旋律というのは・・・
♪つーつーれろれろ~
というものなのだが、はて?
そのメロディーが一体なんだったのか、さっぱり思い出せずにいた。
昔ならそういう時、気になって仕事も手に着かない、
なんてことになったのかもしれないが←さすがにそれはない(笑
今はgoogleさんというつおーい味方がいるので、
すぐにググってみる。
と、いとも簡単にその絡んだ糸はほどけたのだが・・・
にしても、なんで今?
だったのかは謎だし、その些細なきっかかも、もう忘れてしまった。
♪つーつーれろれろ~
は、その文字通り、「ツーレロ節」というのだそうだ。
美ち奴という浅草の芸者さんが歌っていたのだと。
にしても、昭和18年とかって、
私、まだこの世には影も形もなかったはず…
で、youtubeという便利なものもあるのだから、早速聴いてみよう・・・
と思って検索をしてみると・・・
「しゃんらん節」というのと「ツーレロ節」というのがあって、
どちらも美ち奴が歌っている。
同じ旋律に歌詞が二種類あるぞ?
と、いろいろ気になりだしたら止まらない。
元歌は台湾民謡とされていて、
昭和18年に美ち奴が『シャンラン節』としてレコードを売りだしている。
台湾民謡、という元歌は調べてみたけれどわからなかった。
戦時中、兵隊さんたちの間で流行っていたのだそうだが、
あるいは、現地に行った兵隊さんたちが耳コピして流行ったのか・・
その兵隊さんたちの間では、替え歌としてもてはやされたようで、
その多くは春歌と呼ばれるものだったよう・・
その替え歌を纏めたサイトもあったのですが、
ちょっとここに書くのは恥ずかしいので、
気になる人はこっそり訊いてきて…^_^;
ここでふと思った。
兵隊さんたちは、この歌の替え歌を歌って笑いながら、
ふるさとの奥さんや恋人、子どものことを想っていたのかもなぁ…
で、昭和18年にできたレコードの歌詞の中には日章旗(マタハリ)なんてのがあって、
如何にもだ。
レコードのラベルには「愛国歌謡」などとある。
美ち奴さんは、慰問にも行かれていたようですね・・・
戦後、歌詞もまったく改められて、
「ツーレロ節」として新たに吹き込まれている。
こちらの歌詞は、なかなか愛しい男を想う女の心の機微が歌われていて、
今聴いても「お、ちょっとなんか、ええやんか」と思わせられる。
それにしても・・
戦後ってったって、まだまだ私は生まれていないはず・・
(今もまだ、日本はかろうじて「戦後」なのかもしれないが・・)
と、そこに新たにみつけた、「ドリフのツーレロ節」というのがあるではないか。
これだ、きっとこれだ。
私の記憶の底のとこに張り付いていたのは・・
なにか、TVで観たかなにかで、インプットされていたのだ。
「ドリフのツーレロ節」では、随分今っぽくなっていて、
歌詞もとてもドリフターズらしいものになっている。
サラリーマンの悲哀、とでもいいましょうか・・・(笑
でも、平和な日本って感じで、いいです、切ないけど・・
ついでにいえば、「アキラのツーレロ節」というのもあって、
小林旭が歌ってた。
ただし、これは歌の一部に引用したもので、
別物のようになっていた。
(旭、歌下手やな・・←ヲイ!)
で、元歌の祖国台湾では、この「アキラのツーレロ節」を台湾語でカバーして
「心心相愛」というタイトルで歌われていて、こちらの方がメジャーだそう。
元のツーレロ節も「春宵舞伴」というタイトルで日本の歌のカバーとして歌われているそうで、
『♪ツーツーレロレロ~』のところが『陣陣揺落揺落(ツンツンヨロヨロ)』
と歌われておりました。
元歌の故郷、台湾で日本の歌、とされてるけど、
とどのつまり、この歌のルーツはどこなんかかな~?
というところが今、残された疑問点である。
もっと驚いたことに、「シャンラン節」として初音ミクさんもカバーしておられましたよ・・・
(これは戦中版の歌詞)
著作権とかいろいろあるので・・・
とりあえず検索かけるとyoutubeやニコニコにたくさんみつかります・・
ツーレロ節(しゃんらん節)について何かご存知の方がいらしたら、
どうぞ教えてたもれ・・・
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