題詠blog2011

041:さっぱり (史緒)

さっぱりと髪を切る日の口紅は少し淡めのピンクを選ぶ

040:伝 (史緒)

その仕草、口癖までも正確にDNAは伝えゆくらし

039:庭 (史緒)

庭に咲く雛罌粟の朱に誘われし花ぬすびとは咎人なりや

038:抱 (史緒)

くれなゐの薔薇のつぼみを抱いたまま暁闇に鳥の音を聴く

037:ポーズ (史緒)

被災地の思いうけたる球児らはガッツポーズを胸に秘めをり

036:暑 (史緒)

路地裏に暑さ凌いで猫二ひき僅かな陰を分けてぬらぬら

035:罪 (史緒)

おだやかな日常からの隔絶は愛した罪と愛された罰

034:掃 (史緒)

やり場なき思い抱えた女らはただ黙々と掃除するらし

033:奇跡 (史緒)

奇跡など無くてもいいよ ありふれた日常が積み重なるだけで

032:町 (史緒)

この町の言葉にも慣れ朝夕に挨拶交わす八度目の夏